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H20年短答試験問15(ホ)について - KOU

2023/11/29 (Wed) 22:19:25

件名の問題について教えてください。
勉強仕立てのため、初歩的な質問ですみません。

解答の通り、
「特許出願Aに新規性の喪失の例外が認められていても、別の人の出願である特許出願Bによって拒絶されうる」という点は理解できました。
この場合において、「出願Aが新規性の喪失の例外を受けた雑誌に発明イが記載されており、それにより特許出願Bには新規性が無く拒絶されるため、そもそも先願の地位を有しない」というパターンは考えなくてもいいのでしょうか。
弁理士試験において、これは考えすぎでしょうか?

よろしくお願いします。

Re: H20年短答試験問15(ホ)について - 内田浩輔

2023/11/30 (Thu) 12:48:41

「甲は、自らした発明イについて雑誌に発表した後、発明イについて発明の新規性の喪失の例外(特許法第30条)の規定の適用を受けた特許出願Aをした。乙は、自らした発明イについて甲の雑誌の発表の日後Aの出願の日前に特許出願Bをした。この場合、Bについて出願公開がされても、Aは、Bをいわゆる拡大された範囲の先願として同法第29条の2の規定により拒絶されることも、Bを先願として同法第39条の規定により拒絶されることもない。」という問題です。

この場合、特39条については、先願の地位を有しない(特39条5項)という回答も、場合によっては正解です。
ただし、その場合でも特29条の2の適用はあるので、回答が×なのは変わりません。

H20年短答試験問10(ホ)について - KOU

2023/11/25 (Sat) 21:13:46

古めの問題で申し訳ございません。

問題文では
「損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるとき」、
条文では
「損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるとき」
となっておりますが、これらの違いが理解できず。

解答としてはこれらの内容が異なるため×となっておりますが、その辺りを詳しく解説していただけないでしょうか。
「損害額を立証するために必要な事実(条文)」立証できれば、「損害の額(問題文)」を出来ることになるので、言っていることは同じなのではないかと考えております。

よろしくお願いいたします。

Re: H20年短答試験問10(ホ)について - 内田浩輔

2023/11/27 (Mon) 12:29:24

「特許権侵害訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、当該損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときに限り、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。」の正誤を問う問題ですね。

これは、特105条の3では、「事実の性質上」極めて困難である場合に適用があり、「損害の性質上」極めて困難とはいえない場合であっても、損害額を認定できるので、×になります。
青本を参照してもらいたいのですが、民事訴訟法248条との規定の仕方の相違がポイントです。

http://benrishikoza.web.fc2.com/kakomon/h20tanto/h20toi10.html

Re: H20年短答試験問10(ホ)について - KOU

2023/11/29 (Wed) 22:33:51

ありがとうございます。

青本の「参考」の部分までしっかり読み込めておりませんでした。
この問題についてはもちろん、今後の勉強についても大変参考になりました。

短答過去問のH29商標1(二) - Let's Go!

2023/11/04 (Sat) 19:23:56

LEC問題集の解答解説に

「商68条の4の規定により、特許庁長官に事後指定がされた場合ですが、その場合の事後指定の記録日は、原則として、特許庁長官が、受理をした日である」とあるのですが(A)、

68条の9第1項では、
「ただし、事後指定の場合は、(途中省略)国際事務局の登録簿に記録された日にされた商標登録出願とみなす。」とあります(B)。

ここで、①「特許庁長官が受理した日」の後に、
②「(実際に)国際事務局の登録簿に記録された日」が、当然来ることになりますが、

上記の、Aでは、①②を細かく区別して、「②ではなくて①」と言っているわけではなくて、
マドプロ3条(4)の規定のルールと同様のことを言っているだけという理解でよいでしょうか?
(つまり、
「②が、①の後2ヶ月以内にされるならば、①を以って、②の日とする(みなす)」
という理解です)

よろしくお願い致します。

Re: 短答過去問のH29商標1(二) - 内田浩輔

2023/11/07 (Tue) 12:57:09

「事後指定の日」とは、原則として、本国官庁が事後指定書を受理した日です(マドリッド協定の議定書に基づく規則24(6)(b))。
LEC問題集の解答解説では、そのことを省略して「特許庁長官が、受理をした日」と説明しているのでしょう。

Re: 短答過去問のH29商標1(二) - Let's Go!

2023/11/07 (Tue) 22:04:21

ご回答いただき、ありがとうございました。

(マドリッド協定の議定書に基づく規則24(6)(b))が根拠の点を教示いただきありがとうございます。

受験生的には、「原則として」を「2ヶ月以内ルール」として、読まねばならない。と学びました。

口述試験での作法について - あい

2023/10/06 (Fri) 15:18:13

内田先生こんにちは。
おかげさまで、独学で口述試験までたどり着くことができました。
口述試験で法文集を参照する際、試験官に許可を得ることと拝見しましたが、
「参照してもよろしいでしょうか」と毎質問ごとに断りを入れた方がよいのでしょうか?

Re: 口述試験での作法について - 内田浩輔

2023/10/06 (Fri) 15:21:25

以前に、口述試験の試験官を務めた先生にご質問をして得られた回答をまとめました。
そのとき、「法文集を見たいときはどうすればよいですか?」との質問の回答が以下になります。
禁止されていないとしても、断りを入れた方が心証が良いと思います。

『「法文集を見てもよろしいでしょうか?」と聞く人が多いのですが、ルールはありません。ただし、許可なく見ることは禁止はされていないと思います。』

https://benrishikoza.com/kojutu/221018/

Re: Re: 口述試験での作法について - あい

2023/10/10 (Tue) 11:24:16

お返事ありがとうございます。参考になります。
本番では、毎度許可を得るようにしようと思います。

部分意匠の侵害判断について - 弁理士志望

2023/08/27 (Sun) 20:32:42

部分意匠の侵害判断について教えてください。

23条によれば、登録意匠である部分意匠と同一類似である意匠にはその意匠権の効力が及びますが、裁判例を見ても登録意匠にかかる部分意匠と被疑侵害品にかかる意匠との類否判断は特許庁の審査基準において示された部分意匠の類否判断基準をもとに判断されているわけではないと思います。
部品の意匠の場合と異なり、部分意匠は利用侵害を前提とした意匠権の効力という感じでもないですし、過去には部分意匠の利用侵害を認定したケースはないとの論説の記載も読みまして、基本的には23条に基づく効力を判断することになると思います。
侵害判断の基準が明確に示されていない中で部分意匠の侵害判断の問題に遭遇した場合には、どのように類否判断を示すのが良いのでしょうか。試験委員の方々が裁判例に精通していない場合もあり得ると思いますが、裁判例に倣うのが最適でしょうか。

Re: 部分意匠の侵害判断について - 内田浩輔

2023/09/05 (Tue) 14:02:37

①物品及び意匠登録を受けた部分の類否
②意匠の基本的構成及び具体的構成の認定
③要部の認定(需要者基準)
④共通点及び差異点の認定
⑤意匠全体としての類否判断(物品全体における部分の位置等を参酌)
という流れで、類否判断を示すのが判例では一般的かと思います。

しかし、論文試験で書く場合には、需要者基準で要部を認定できないので、審査基準通りで足りるように思います。
①物品等の用途及び機能の類否
②登録意匠の部分と、当該部分に相当する部分の用途及び機能の類否
③登録意匠の部分と当該部分に相当する部分との、物品等の全体の形状等の中での位置、大きさ、範囲が、同一又はありふれた範囲内のものであるかの認定
④登録意匠の部分と当該部分に相当する部分の類否

https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/shinsa_kijun/document/index/isho-shinsakijun-03-02-01.pdf

Re: 部分意匠の侵害判断について - 弁理士志望

2023/09/10 (Sun) 15:28:36

ご説明ありがとうございました。
論文試験では判例で示されている基準に従って判断する必要はなく、審査基準の判断で構わないだろうとのことで承知いたしました。

審査基準について、部分意匠についての新規性の判断はご提示いただきましたとおりかと思います。一方、部分意匠についての9条先願における類否判断は、部分意匠同士の類否判断(3.2)は新規性と同様ですが、全体意匠と部分意匠の類否判断(3.3)は少し異なります。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/shinsa_kijun/document/index/isho-shinsakijun-03-05.pdf

被疑侵害者の実施品にかかる意匠を部分意匠として捉えるか全体意匠として捉えるかによって判断基準が異なるように思いますが、侵害判断において、審査基準に記載の新規性における類否判断基準を示した方が良い理由などはございますでしょうか。
少し踏み込んだ質問となり恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

Re: 部分意匠の侵害判断について - 内田浩輔

2023/09/11 (Mon) 12:31:10

先願における類否判断に従った書き方でもよいと思います。
なお、従来は、部分意匠と全体意匠とが非類似として扱われていましたが、令和元年の審査基準改正によって、部分意匠と全体意匠との間でも類否判断を行うようになりました。
ご指摘の部分は、上記改正に伴う記載というだけですので、被疑侵害者の実施品を殊更「全体意匠」として言及する必要はないと思います。

Re: 部分意匠の侵害判断について - 弁理士志望

2023/09/16 (Sat) 10:35:40

ありがとうございます。先願における類否判断に従った書き方でも良いと理解しました。
被疑侵害者の実施品についてもあえて全体意匠として言及せず、いずれかの基準を用いて類否を判断しようと思います。
また、実務上は判例で示された類否判断の基準がある点についても留意しておきます。(特許庁の審査基準は侵害判断の基準を示すものではないですしね。)
どうもありがとうございました。

特許を受けようとする者と出願人の区別 - Buramiru

2023/08/29 (Tue) 14:37:09

標記の件で質問です。

「出願人」と「発明者」が別の意味を持つ言葉であることは当然基本事項として理解しているのですが、特許法36条などに登場する「特許を受けようとする者」という言葉の意味がいまいちピンと来ていません。

38条の2第2項では出願日が認められない際の通知が「特許を受けようとする者」に、38条の4第1項では明細書の一部欠けの通知が「出願人」にされるとあるので、ただの表記ゆれでなく使い分けがされているようなので、無視できずに気になっています。

特許を受ける権利を有するのが「特許を受けようとする者」で登録査定後特許権者となる者に相当し、出願人は特許を受けようとする者と同一か、弁理士など出願を代理する者である場合が多い、という認識で合っているでしょうか。

また、条文中でどの場面では「受けようとする者」でどの場面では「出願人」なのかを試験上はっきり区別して覚えておかないといけないのでしょうか。

Re: 特許を受けようとする者と出願人の区別 - 内田浩輔

2023/09/05 (Tue) 14:07:24

おおざっぱですが、以下の認識でよいと思います。
また、試験でははっきり区別して覚えた方がよいと思います。

出願日の認定前→特許を受けようとする者
出願日の認定後且つ査定前→出願人

Re: 特許を受けようとする者と出願人の区別 - Buramiru

2023/09/07 (Thu) 12:47:21

ありがとうございます、納得できました。

区別は必要ですが定義だけ覚えておけば特段新しい事項を暗記する必要はなさそうで安心しました。

商標法8条3項 - 受験生

2023/08/19 (Sat) 16:06:06

商8条3項について教えてください。

商8条3項では、商標登録出願が査定または審決が確定したときは先願の地位を有しないとされていますが、登録査定や登録審決は含まないのではないでしょうか。
特許や意匠では拒絶をすべき旨の査定または審決と明記されているのに対し、商標では「拒絶をすべき旨の」とは規定されていないので、どういった意図があるのか気になりました。

Re: 商標法8条3項 - 内田浩輔

2023/08/21 (Mon) 17:06:26

「査定若しくは審決」とは、拒絶査定又は拒絶審決をいい、登録査定又は登録審決が確定した先願は先願の地位を有すると解するのが妥当です(網野)。
特に意図はないと思うのですが、当たり前すぎて記載する必要がないということでしょうかね?

Re: 商標法8条3項 - Let's Go!

2023/08/23 (Wed) 15:21:01

脇からです。同じく受験生ですが、ここは、特許法39条5項の場合と異なるので、初歩の?受験生が、よくつまずくところです。

商標は、更新制度もあり、既に存続期限切れで、登録料を納付せずに消滅している他人の商標を、出願しても、他の要件を満たせば、後から出願した別人も登録できます。商標が「選択物」で、公共的性質を有しているので、使い回せるので、使いまわしを可能とするためにも、出願が登録された後も、「先願の地位」という、一種の「拒絶理由」をなくす法制です。

Re: 商標法8条3項 - 受験生

2023/08/27 (Sun) 20:21:50

内田先生のおっしゃるとおり、登録査定・審決により先願の地位を有すると理解していますが、Let's Go!さんがおっしゃっているのは、商標登録出願についての登録査定・審決の確定により先願の地位が喪失するということでしょうか。
登録査定の確定により先願の地位を有しないと、後願が先に登録されてしまった場合に先願の登録査定によって8条1項の無効理由が解消してしまう不都合が生じると思います。
また、無効審決や取消審決の確定によっても先願の地位が喪失し、おっしゃるとおり使いまわすことができますが、8条3項は「商標登録出願について査定または審決が確定」とされているので、無効・取消審決のことを意味しているわけでもないと理解しています。

コメントの意図を理解できておらず恐縮ですが、誤っている点をご指摘いただけると幸いです。

Re: 商標法8条3項 - Let's Go!

2023/08/30 (Wed) 15:52:26

「商標登録出願についての登録査定・審決の確定により先願の地位が喪失する」ということです。

後願が先願と同一内容(商標、指定商品等)だと、先願のみが登録されるべく、4条1項11号(15条の2,15条の3)の拒絶理由があります。が、
微妙なタイムラグで、後願が先登録になることがあると、先登録者のみが勝者です。
しかし、リターンマッチで、先願者は、8条1項により、異議申し立て(43条の2第1項1号)、無効審判請求(46条1項1号)で、後願先登録者を無効にして、利益回復ができます。

既に先に登録が有効にある場合(査定又は審決時)の後願者は、4条1項11号で拒絶されて、おしまいです。

しかし、先登録者の存続期間終了消滅や無効・取り消し審決の確定があると、「後からの出願」がまたできるようになります。
特許や意匠では、一度、特許・登録査定で特許・登録になると、先願の地位が残るので、「後からの出願」はできません。また、出願公開、公報公開で、新規性喪失もあるので、そちらでの拒絶の方が主ですが。

Re: 商標法8条3項 - 受験生

2023/09/02 (Sat) 22:34:50

ご説明ありがとうございました。

後願が先登録になった場合、先願は当然に後願に基づき拒絶はされませんので、先願も登録されます。その場合、先願について8条3項により先願の地位が喪失するのであれば、先に登録になった後願について、8条1項の無効理由が解消してしまう不都合が生じるかと思います。

4条1項11号のセーフティネットとして8条1項を規定した趣旨を没却する結果になると思いますので、そのように考えると、登録査定・審決の確定によっては先願の地位は喪失しないと考えるのが妥当であると思います。網野先生もそのように説明されているのであれば、なおそう考えるのが妥当であるように思います。

Re: 商標法8条3項 - Let's Go!

2023/09/04 (Mon) 15:57:34

「その場合、先願について8条3項により先願の地位が喪失するのであれば、先に登録になった後願について、8条1項の無効理由が解消してしまう不都合が生じるかと思います。」

「先に登録になった後願」も、先願の地位がなくなります。

両方の登録とも、先願の地位がなくなった状態となっているので、改めて、先願登録が後願登録を無効にできます(8条1項(46条1項1号))。

Re: 商標法8条3項 - 内田浩輔

2023/09/05 (Tue) 13:32:43

商8条1項ですが、仮に同3項によって先願の地位がなくなると、初めからなかったものとみなされます。
そのため、過誤による後願先登録の場合に、その後に登録される先願が救済されなくなります。
(後願登録査定時には先願登録が存在しないため、商4条1項11号では、後願先登録商標を無効とすることができない。)

したがって、同3項「査定若しくは審決」とは、拒絶査定又は拒絶審決をいい、登録査定又は登録審決が確定した先願は先願の地位を有すると解するのが妥当です。

Re: 商標法8条3項 - Let's Go!

2023/09/05 (Tue) 17:05:12

内田様

ご説明ありがとうございます。
本件は、条文の記載が、特実意と異なるため、特に、予備校でも取り上げて説明がある箇所です。

その説明では、「登録すべき査定又は審決」があった時は、某TAC講師の解釈は、「先願の地位はなくならない」解釈であり、
某LEC講師の解釈は、条文通り、「先願の地位は、なくなる」解釈です。

ここで、単一の登録商標が、「先願の地位」を有している(特許法等と同じで)とすると、その商標権が消滅した場合、「先願の地位」が残っているので、
同じ商標登録出願は、8条1項で拒絶されてしまい、
商標法に特有な「標識の使いまわし」ができないことになるとのことです。

よって、この点は、LEC講師の解釈が正しいと思われます。
よろしくお願いいたします。

追記 本件ですが、9月6日付けで、特許庁に直接問い合わせをしました。過日、返事がもらえると思います。よろしくお願いいたします。

Re: 商標法8条3項 - 内田浩輔

2023/09/05 (Tue) 19:13:40

商8条1項は拒絶理由ではないので、商標権が消滅した場合には、消滅した商標権に係る商標と同一又は類似の商標に係る商標登録出願は拒絶されません。

一方、商8条1項は、無効理由でありますが、「がんばれ受験生事件」(平成18年(行ケ)第10458号)の趣旨からすると、商8条1項に違反し商標登録が無効となる場合とは、「重複登録を避ける必要がある場合」に限定されると解されます。
そのため、商標権が消滅した場合には、重複登録を避ける必要がなく、無効理由に該当しないと解されます。

ただし、同判決では、「商標法は,類似の規定を持つ特許法(39条)及び意匠法(9条)においてはいわゆる後願排除効がある・・・のと異なり,後願排除効がない(法8条3項)」とも述べております。
ここを捉えて、登録査定でも商8条3項によって先願の地位を失うと解する方もおられるかと思います。

https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/584/034584_hanrei.pdf

Re: 商標法8条3項 - Let's Go!

2023/09/06 (Wed) 15:07:21

「同じ商標登録出願は、8条1項で拒絶されてしまい、」が誤りの点、理解しました(拒絶理由とはならない)。

よって、
「先願者が、無効審判を請求すれば、無効にできる」
ことになり、不都合になります。

故に、「登録すべき旨の査定若しくは審決の時」は、「(拒絶理由ではない)先願の地位」が残る。
(ただし、その「無効理由としての後願排除効」も限定的)

結局、8条1項が拒絶理由でないことにより、8条3項の、それに関する規定が、特許法等のように意味を成しておらず、
無効理由における8条1項の効果も、判例の解釈により限定的効果と理解できました。

また、
「趣旨からすると、商8条1項に違反し商標登録が無効となる場合とは、「重複登録を避ける必要がある場合」に限定されると解されます。
そのため、商標権が消滅した場合には、重複登録を避ける必要がなく、無効理由に該当しないと解されます。」

であれば、後願先登録者と先願後登録者の重複登録の場合に、8条1項で、後願先登録者を無効にできて、排除できるとすると、「登録すべき旨の査定若しくは審決」で、「いわゆる「(無効理由としての)先願の地位」が、(きわめて限定的な)重複登録を避ける場合だけ有効になる」と理解しました。

ありがとうございました。


特34条の3第11項の仮通常実施権の消滅 - Let's Go!

2023/08/14 (Mon) 17:12:17

内田様

ご質問させていただきます。

件名についてですが、「仮専用実施権」が「特許を受ける権利を有する者」と混同で、消滅した場合、「仮通常実施権」が、消滅するのは、不合理に思いますが、どのように考えればよいでしょうか?
出典等あれば、それについても、ご教示ください。

この件は、「専用実施権についての通常実施権」(77条4項)についても、同様の問題と思いますが、77条4項の通常実施権については、特34条の3第11項は規定はないのですが、「消滅・消滅」で、考えてよいのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

Re: 特34条の3第11項の仮通常実施権の消滅 - 内田浩輔

2023/08/21 (Mon) 16:57:07

お盆中に回答ができずに申し訳ありません。

さて、ご質問ですが、特許法に定めがないので、民法179条2項を参照しますと、同項には「2.所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。」と規定されています。
そこで、同条1項ただし書き(「ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。」)を適用して、仮専用実施権について仮通常実施権が許諾されている場合は、仮専用実施権が混同消滅しないのではないかと思います。

仮専用実施権が混同消滅しない結果、特34条の3⑪によって仮通常実施権が消滅することはないと解釈しています。
なお、債権である仮通常実施権の許諾をもって、仮専用実施権が第三者の権利の目的になっているといえるかどうかは分かりません。

※多分二回目の質問です。
https://benrishikoza.com/blog/%E5%BC%81%E7%90%86%E5%A3%AB%E8%A9%A6%E9%A8%93-%E4%BB%AE%E9%80%9A%E5%B8%B8%E5%AE%9F%E6%96%BD%E6%A8%A9%E3%81%AE%E6%B6%88%E6%BB%85%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

Re: 特34条の3第11項の仮通常実施権の消滅 - Let's Go!

2023/08/23 (Wed) 13:14:27

丁寧な、ご回答ありがとうございます。

2018年は、何とか、初めて短答試験が受かった年ですが、2回目質問ですみません。

民法179条1項但し書きの読み方が難しいと思いました。「混同消滅しないケース」という読み方が難しいですね。

Re: 特34条の3第11項の仮通常実施権の消滅 - Let's Go!

2023/08/25 (Fri) 18:04:13

内田様

特許庁に問い合わせました。
結果として、「混同の場合」は、
「民法179条2項但し書き準用の179条1項但し書き」で読む所の、
仮専用実施権は、「消滅しない」という解釈で良いとのことでした。

特許庁総務課の法規範係の職員の方が電話で回答くださいました。

よろしくお願いいたします。

Re: 特34条の3第11項の仮通常実施権の消滅 - 内田浩輔

2023/09/05 (Tue) 13:01:09

わざわざお問い合わせ頂きありがとうございました。

Re: 短答試験の選択肢 - chance to

2023/08/21 (Mon) 18:11:08

聞き方が悪くて申し訳ございません。1つの問題としての難易度ではなく、1つの問題の中で提示される5つの選択肢それぞれの難易度について伺いたいです。

「5つのうちから1つ選べ」も「5つの中にいくつあるか」も結局は選択肢1つ1つの正誤について検討するという点で同じところに帰結していると思います。

しかし前者では、5つの肢の全てについて自信をもって判定できなくとも、1つ答えとなる肢さえ選べてしまえば得点出来ると思います。それに対して後者については、例外なく5つすべての正誤判定を成功させて初めて得点になります。

そうなると、前者の問題に使われる選択肢5つと、後者の問題に使われる5つの個々の正誤判定の難易度に差がないとすれば、必然的に後者の問題の方が格段に割れ問になりやすくなると思います。

問題全体の難易度として前者形式と後者形式で差があるわけではないのだとすれば、後者形式の問題の選択肢の1つ1つは前者より簡単(後者形式の設問で正解が「1つ」になる選択肢5本を仮にそのまま前者形式の設問に流用すればかなり簡単な設問ができあがる)になると思います。

そこで、問題形式によって選択肢自体の難易度に差があるのか伺いたいです。

Re: Re: 短答試験の選択肢 - 内田浩輔

2023/08/24 (Thu) 13:35:57

「5つの中にいくつあるか」が、「5つの中から一つ選べ」より、各選択肢(いわゆる「枝」)の難易度が低いという印象はないです。

過去問を何度も解いていますが、問題形式によって選択肢自体の難易度に差があると感じたことがないので、それほど間違っていない印象だと思います。

短答試験の選択肢 - chance to

2023/08/17 (Thu) 15:53:47

最近弁理士試験の勉強を始めました。

まだ過去問を見てもちんぷんかんぷんなのですが、問題の形式を見ると、正しいor間違った選択肢を「5つのうちから1つ選べ」と「5つの中にいくつあるか」の2つの聞き方があると思います。

ただでさえ難しい選択肢が、消去法などの絞り込みが効かない後者形式に多く混ざってくると手も足も出なくなりそうですが、前者形式問の選択肢は難しめのものが多く後者形式の選択肢は簡単なものが多い、といった傾向はあるのでしょうか?

まだ自分で見ても難易度の判断ができないほどの諸学者なのでお伺いしたいです。

Re: 短答試験の選択肢 - 内田浩輔

2023/08/21 (Mon) 17:03:55

「5つの中にいくつあるか」が簡単であるというような傾向はないと思います。
例えば、平成23年には各受験機関の回答が割れた問題(いわゆる割れ問)多かったのですが、割れ問の9問中、問25,問31,問34,問44,問46が「いくつあるか」を問う問題でした。
受験機関が間違うレベルだと、簡単なものとは言えないですね。

https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-mondai/document/h23tanto/question.pdf


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