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特許法34条1項青本解説について - ドラちゃん

2020/03/27 (Fri) 05:01:09

いつもお世話になっております。
法34条1項の解説で、「もし一項の場合も四項の場合同様に効力発生要件とすると特許出願前においては特許を受ける権利の承継をすることができないということになり、そうなると社会の実情から考えて不便が多い」という箇所がよく理解できません。ご教授いただければ幸いです。

Re: 特許法34条1項青本解説について - 管理人

2020/03/27 (Fri) 09:22:23

特34条4項では届出を特許を受ける権利の承継の効力発生要件としています。
しかし、出願前にはそもそも届出の対象となる特許が存在していませんので、届出ができません。

そのため、出願前の特許を受ける権利の承継の効力発生要件を届出とすると、特許を受ける権利の承継をすることができないということになります。

Re: 特許法34条1項青本解説について - 受験生A

2020/03/27 (Fri) 09:27:02

横から失礼します

仮に出願が特許を受ける権利の効力要件とした場合、譲渡当事者間では契約によって譲渡契約が成立していても、実際は出願するまでは効力が生じません。
そのため、譲受人が出願してもそれらは特許を受ける権利の譲渡が効力を生じていないため、すべからく特許を受ける権利を有しない者の出願となってしまうという不都合があるという意味に理解しています。
また、特許を受ける権利を有していない者の出願をもって譲渡の効力が発生するというというのもおかしな制度であります。

おそらく青本はそのことを省略して記載したのではないでしょうか。

Re: 特許法34条1項青本解説について - 管理人

2020/03/27 (Fri) 09:41:51

受験生Aさんありがとうございます。

確かに、「一項の場合も四項の場合同様に効力発生要件とすると特許出願前においては特許を受ける権利の承継をすることができないということになり」と書かれています。
出願を効力発生要件としていない理由の記載ですので、受験生Aさん説明が適切ですね。

ただし、出願と同時に譲渡の効力が生じるので、特許を受ける権利を有しない者の出願とはならないと思われます。
青本の記載は、出願より前には譲渡の効力が発生しないことによって、特許を受ける権利の流通に不都合が生じるという意味でしょう。

Re: 特許法34条1項青本解説について - ドラちゃん

2020/03/27 (Fri) 13:07:18

お二方とも鋭い考察をありがとうございます。

つまり青本解説を管理人様の最後の一文で言い換えると、
「もし一項の場合も四項の場合同様に効力発生要件とすると特許出願前においては特許を受ける権利の承継をすることができないということになり、そうなると社会の実情から考えて不便が多い」

「もし一項の場合も四項の場合同様に効力発生要件とすると特許出願前においては譲渡の効力が発生しないということになり、そうなると特許を受ける権利の流通に不都合が生じる」
となると思うのですがどうでしょうか。

しかしそうすると、現行法では出願前に譲渡の効力が発生するということになるかと思います。ここからさらに第三者対抗要件として出願が必要なのでしょうか。

Re: 特許法34条1項青本解説について - 管理人

2020/03/27 (Fri) 13:12:26

分かりやすいと思って流通と言いましたが、出願前に会社に処分権が無くなってしまうので、実際には職務発明の譲渡が一番悪影響を受けると思います。

なお、現行法では出願前に譲渡の効力が発生しています。
第三者対抗要件は、二重譲渡の場合に問題となり、二重譲渡を受けた第三者との間では、出願によって対抗することになります。

Re: 特許法34条1項青本解説について - ドラちゃん

2020/03/27 (Fri) 13:33:10

流通という言葉でとてもわかりやすかったです、ありがとうございます。

「現行法では出願前に譲渡の効力が発生している」というのが今回一番知りたかったことだったようです。おかげさまですっきりしました。

いつも勉強になります、本当にありがとうございました!

損害額の推定 - 初心の者

2020/03/11 (Wed) 11:13:29

特102②項による損害額の推定規定は、権利者の実施が要件、あるいは、権利者が不実施でも認められる、と2通りの考え方があり、判例が分かれているとのことですが、このような場合、通説はないということでしょうか?
論文試験で仮に出題された場合は、通説で書きたいのですが、根拠さえ明確に記述すれば、どちらでも良いのでしょうか?

Re: 損害額の推定 - 管理人

2020/03/11 (Wed) 12:20:05

特102条2項の推定適用に実施の要件はありません。
つまり、「侵害者による特許権侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在する場合には、特許権者の行為が特2条3項所定の「実施」に当たるか否かにかかわらず特102条2項を適用することができる」が答えになります。

https://benrishikoza.com/blog/hanrei130212/

Re: 損害額の推定 - 初心の者

2020/03/11 (Wed) 18:34:18

管理者 様
条文には、特許権者の実施が要件ではないと読めますが、「スミターマル事件(高裁H11.6.15)」では、「本件控訴審は、被控訴人は、当該特許発明を実施していなかったから現行特許法102条2項の適用はないとしながら、現行特許法102条1項にもとづき2億3490万円の損害賠償請求を認容した。」との記述がありますのですが?

Re: 損害額の推定 - 管理人

2020/03/12 (Thu) 12:35:09

下記リンク先から大合議(平成24年(ネ)10015号)の判決要旨をご覧ください。
これが現在の通説です。

https://www.ip.courts.go.jp/vc-files/ip/file/10015_you.pdf

Re: 損害額の推定 - 初心の者

2020/03/13 (Fri) 17:38:18

管理人 様
このような判決が出ているのを知りませんでした。
ご教示ありがとうございます。
論文用の通信講座を受講してますが、その中で、本論点については、さらに判例の蓄積を待つ、というように講師が説明されたと理解してましたので(私の不十分な理解のせいかもしれません)、質問させて頂いた次第です。 いつもご解答頂き、大変助かります。

R1短答特実8枝4について - 七氏

2020/02/25 (Tue) 19:52:12

特許法23条2項では、「指定した期間内に受継がないときは、『その期間の経過の日』に受継があったものとみなすことができる。」と規定されているのに対し、『受継を命じた日に』としている枝4が正答となるのはなぜでしょうか?

Re: R1短答特実8枝4について - 管理人

2020/02/27 (Thu) 08:18:20

ご指摘ありがとうございます。
問題の読み違いであり、枝4は誤答です。

https://benrishikoza.com/kakomon/r01toi8/

国際出願に係る優先権主張 - 初心の者

2020/02/14 (Fri) 18:27:48

先の出願が、日本を指定国に含む国際出願で、後の出願が国内出願である場合、優先権は国内優先権またはパリ優先権のどちらかを出願人が選択できますが、この選択できる根拠は何なのでしょうか?
ご教示のほど宜しくお願いします。

Re: 国際出願に係る優先権主張 - 管理人

2020/02/17 (Mon) 12:35:53

PCT11条(3)により、国際出願は各指定国における正規の国内出願の効果を有するので、国際出願はパリ4条A(1)のいずれかの同盟国において正規にされた特許出願に該当し、パリ優先権を主張できることになります。

また、特184条の15第4項及び特41条により、先の出願が指定国に日本国を含む国際出願である場合も特41条が適用でき、これにより国内優先権を主張できることになります。

Re: 国際出願に係る優先権主張 - 初心の者

2020/02/22 (Sat) 17:05:31

管理人 様
ご回答有難うございます。
2つ共、適法な優先権主張手続きなので、出願人にとってメリットのある優先権主張を選択すれば良いことになると理解しました。

過去問の年数 - 独学社会人

2020/02/17 (Mon) 16:40:40

皆さん大体どれくらいの年数の過去問をこなしているんでしょうか。直近10年分が妥当でしょうか?

Re: 過去問の年数 - 管理人

2020/02/21 (Fri) 08:33:09

10年分であれば妥当といえます。
とはいえ、法改正などもあるので、法改正に対応した問題集を使用することをお勧めします。

https://benrishikoza.com/bbslog/%E5%BC%81%E7%90%86%E5%A3%AB%E8%A9%A6%E9%A8%93-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%81%AE%E3%82%84%E3%82%8A%E6%96%B9/

優先権主張を伴うPCT国際出願と自己指定に関して - 学生

2020/02/11 (Tue) 19:51:46

優先権主張を伴うPCT国際出願と自己指定に関して
日本の場合、自己指定の場合の国内優先権の効果は特許法41条の規定に基づく事から、パリ優先権と異なり、国内優先権の場合は基礎出願がみなし取下げとなります。

日本で特許を取得する場合

①国際出願で日本特許取得
国際出願において日本への国内段階移行の手続きをとり、国内出願についてはそのままみなし取り下げ

②国内出願によって日本特許取得
国際出願時に日本の指定を除外、又は出願後みなし取下げ前に日本の指定を取り下げる。

③国内出願と国際出願両方で日本特許権を取得
国内優先権を取下げる。国内段階に移行する。

の3パターンがあるとおもいます。
この3パターンそれぞれのメリット、デメリットを教えてください。
よろしくお願いいたします。

Re: 優先権主張を伴うPCT国際出願と自己指定に関して - 管理人

2020/02/12 (Wed) 12:09:41

①のメリットは、国内優先権を伴うため、基礎の日本出願に対して改良発明等を追加できる点です。
また、特許権の存続期間が、国際出願日を基点とするため、基礎出願を特許化する場合と比べて、満了日を遅くできます。

デメリットは、国内移行手続き等の手続負担及び費用負担をが生じる点です。

②のメリットは、基礎出願を特許化するため、国内移行手続き等の手続負担及び費用負担を避けることができる点です。

デメリットは、発明の追加等ができない点です。

③のメリットは、ちょっと思いつかないです。

デメリットは、国内移行手続き等の手続負担及び費用負担をが生じる点です。

再審や審決等取消訴訟が起こせない場合 - 審判・・・

2020/02/06 (Thu) 14:21:48

特許異議の申立てについての維持決定に対しては、再審・審決等取消訴訟を起こすことはできませんが、拒絶査定不服審判・訂正審判・無効審判の場合では、特許権を維持すべき旨の審決が出た場合であっても再審・審決等取消訴訟を起こすことは可能なのでしょうか?

Re: 再審や審決等取消訴訟が起こせない場合 Let's Go!!

2020/02/06 (Thu) 15:50:11

管理人さんが、しっかりした回答をされると思いますが、お見かけしたので、知識の範囲で横から述べておきます。

「維持決定に対して、あくまで取消決定されるべきだ」ということならば、別口で無効審判で争えばよいわけです。

審判の審決に関しては、178条1項で、その客体が規定されているので、取消訴訟の請求ができます。
ちなみに、再審の場合も、終わりまで行けば、審決です(174条2,3,4項で157条を準用)。

Re: 再審や審決等取消訴訟が起こせない場合 - 管理人

2020/02/10 (Mon) 10:16:33

Let's Go!!さんありがとうございます。

さて、確定審決に対しては再審を請求できます(特171条1項)。
また、審決に対しては東京高等裁判所に提訴できます(特178条1項)

そのため、訂正を認める旨の審決に対しては、再審も提訴もできると思われます。
特に一部認容審決が出た場合には、再審・提訴の理由があります。

拒絶査定不服審判において、特許査定すべき旨の審決に対しては、再審も提訴もできると思われます。
実際、特許査定の例ですが、行訴法による取消しの訴え又は無効確認の訴えができると判示された事例があります(平成26年(行コ)第10004号,同第10005号)。
https://benrishikoza.com/blog/hanrei-h27/

無効審判において特許を維持すべき審決が出た場合には、当然再審も提訴もできます。
被請求人としても、一部無効審決に対する再審・提訴の理由があります。

特44条1項2号での下位概念の分割 Let's Go!!

2020/02/04 (Tue) 15:56:24

特44条1項2号での下位概念の分割

特許査定があった上位概念の特許出願が、分子(特許請求の範囲の記載)がイ、分母(明細書又は図面)が、イ、ロ、ハの場合に、ロが、イの下位概念で具体例の場合を質問します。

2号の期間に、分割出願で、分子がロ、分母がイ、ロ、ハのような出願をした場合、ロは特許登録できるでしょうか?
現出願は補正なしです。

現出願が特許化すると、70条で判断されて、明細書にロを含む、現出願と、特許請求の範囲にロがある分割出願では、同じものなので、2重特許で、分割出願が拒絶されると考えるのですが?

ここで、リパーゼ事件の判決では、出願時点では、特許請求の範囲だけ考えるということですが、それは、分割出願についてであり、引用例になる方は、効力が発生する実態権利を問題にするはずなので、当然、明細書に具体例のロがある現出願は、二重特許ということで、39条1項の拒絶理由(49条2号)で拒絶されると考えるのですが? いかがでしょうか?

よろしくお願いいたします。

Re: 特44条1項2号での下位概念の分割 - 管理人

2020/02/05 (Wed) 18:28:57

親出願が上位概念に係る発明で、分割出願が下位概念に係る発明の場合、分割出願に係る発明は登録されます。
つまり、発明ロは登録できます。

その理由は、同日出願に係る発明が二つの発明の出願が、一方を先願とし他方を後願と仮定したときに同一であり、且つ一方を後願として他方を先願としたときに同一である場合に、特39条における同一と判断されるからです。

つまり、下位概念の分割出願は、いずれの場合も同一ではないので、発明ロは登録できます。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/03_0400.pdf

なお、先願発明の発明を、上位概念として表現した場合、後願は先願発明と同一と判断されます。
ただし、分割出願が上位概念に係る発明であっても、上記の同日出願に関する同一の判断基準に従って、下位概念に係る発明の親出願とは同一ではないと判断されます。

Re: 特44条1項2号での下位概念の分割 Let's Go!!

2020/02/05 (Wed) 19:25:48

ご回答ありがとうございます。

これについて、疑問があります。

1.
先に示したように、分割前の原出願の明細書等には、具体例(下位概念、ロ自体)の記載があるため、
特許登録された場合、

下位概念のロの分割出願が特許登録した場合と、
同じ効果があります(70条2項)。

ということは、二重特許となります。

2,
2号の場合の分割出願は、原出願の特許査定謄本の到着から30日以内ですから、分割出願の審査時点では、特許登録が完了して、すでに特許権となっています。

特許請求の範囲に、ロの記載がないとしても、
下位概念のロが、明細書に記載がありますから、
その部分は、分割出願に係る特許権と同じ効果が発生します。

これらから、一連の規定ぶりは、二重特許を制度的に認めているとなると考えますが、そういう理解でよいのでしょうか?

分割発明の特許性の審査の判断基準がおかしいのではないかと思うのですが、
すでに、明確に、ロいう権利が成立しているのに(特許請求の範囲にロの記載がなくイの上位概念だけの記載だとしても、明細書に記載があるので、解釈でロに権利が発生しています)、分割出願のロに権利を認めるというのは、排他権を二つ認めることになります。

Re: 特44条1項2号での下位概念の分割 - 管理人

2020/02/06 (Thu) 09:28:53

二重特許にはなりません。
まず大きな勘違いが二つあります。
一つ目は、特70条2項を考慮したとしても、請求項に記載された上位概念に係る発明が、明細書等に記載された下位概念に係る発明と同一であると、限定的に解釈されることはないということです。

理由は、「用語の意義を解釈する」ために参酌されるにすぎないからです。
上位概念に係る特許発明イは、下位概念に係る発明ロ及びハを含む発明であり、下位概念のいずれかに限定されるわけではありません。
さらに、明細書等に記載されていないとしても、他の下位概念に係る発明を含む可能性もあります。

次に、特70条は「特許発明」の技術的範囲の解釈に用いられる条文です(特に権利行使j時です)。
したがって、審査過程における、特許公報に記載された発明の解釈には用いられません。
そして、特39条の同一性判断の手法は、特29条1項の同一性判断の手法と同じです。

つまり、「審査官は、請求項の記載に基づき認定した発明と明細書又は図面に記載された発明とが対応しないことがあっても、請求項の記載を無視して明細書又は図面の記載のみから請求項に係る発明を認定し、それを審査の対象とはしない。」です。
したがって、請求項に発明イしか書かれていなければ、請求項に書かれていないロと対比されることはありません。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/03_0203.pdf

Re: 特44条1項2号での下位概念の分割 Let's Go!!

2020/02/06 (Thu) 16:04:55

ご丁寧な説明・回答ありがとうございます。
すみませんが、まだ、疑念が残ります。

1.イがロを含むとなった場合には、上位概念(イ)と下位概念(ロ)同士は、大小の関係にありますので、当然に同一ではないと考えます。
しかし、「ロに相当する部分」をイが有する(含む)ということならば、「商標法の68条の10の場合の指定商品ごとの同一」の考え方で、「部分的に同一」が明白ですので、現在の審査基準の記述は別として、
「その点の同一」は主張でき、権利の重複が起きるわけですが、それを看過する審査には疑問がわきます(特許庁に言うべきこととは理解しますが)。

2.特70条の適用について
出願発明と引用発明を分けて考えないといけないと考えます。
リパーゼや「審査基準が70条の適用がない」というのは、出願発明の方ですが、引用発明においては、そういうことはないのではないでしょうか?
引用発明は、その効力として、「明細書の記載も考慮して特許請求の範囲の解釈を行う」ということならば、出願発明のロは、先願発明のロ(イのロ部分)により拒絶されてしかるべきと考えるのですが。

よろしくお願いいたします。

Re: 特44条1項2号での下位概念の分割 - 管理人

2020/02/06 (Thu) 17:51:19

まず、商標法の理屈を特許法に持ち込むのは止めた方がよいです。
客体も法体系も大きく異なるので、意味がないです。

さて、特許法上、一発明一特許の原則(例えば特39条)はあっても、異なる発明についての特許化は制限されていません。
そして、上位概念に係る発明と下位概念に係る発明とは異なる発明ですので、それぞれが特許として登録されても特許法には反しません。
なお、この場合には、特72条(利用発明)で調整されます。

つまり、上位概念に係る発明と下位概念に係る発明とが同一であるという考え自体が、特許法上は間違いです(実質的に同一ならばあります)。
もちろん、「部分的に同一」とか「その点の同一」とかの主張も認められないです。

また、特70条についてですが、引用発明の登録前後で公報の請求の範囲に記載された発明の解釈が変わるわけないです。
特許査定後料金納付前と納付後とか、無効が確定したらとかで考えてみて下さい。

特70条は特許発明に含まれる技術の範囲についての規定です。
例えば、「平面」という特許発明があったときに、どの程度の平面度が含まれるのかは、明細書等を参酌して判断します。

一方、審査において、平面度が異なる「平面」が先願の特許請求の範囲に記載されていれば、当該引用発明と差別化するために後願の特許請求の範囲に記載された「平面」の平面度を限定することが求められるわけです。
このとき、引用発明及び本願発明のいずれについても、明細書等に記載された平面度は参酌されません。
もちろん、「平面」の技術的異議が明確である場合の話です。

Re: 特44条1項2号での下位概念の分割 Let's Go!!

2020/02/07 (Fri) 16:09:38

ご回答ありがとうございます。
以下、よろしくお願いいたします。

1.
商標法の例がよくなかったのかもしれませんが、特許法では、請求項単位で無効審判も請求でき、複数の権利が一つの特許に関して存在するということがあります(一群の発明ならば、複数の発明を一出願でき、他方、商標が複数の指定商品・指定役務で出願でき、権利化できる点での類似性はあると考えます)。

上位概念が特許請求の範囲にあり(例:イ)、明細書に、下位概念がある(イ、イの具体例(ロ、ハ))場合、

「権利行使は、あたかも、イ、ロ、ハが、特許請求の範囲に書いてあるのと同じようにできる」というのが、70条2項の意味と理解します。
ならば、そのような出願が特許となって引用例になっていれば、

別人が、後願で、特許請求の範囲にロを記載して、出願した場合、審査においては、すでに先願特許があるのだから、ロについては、特許査定できないと考えます。

つまり、明細書に下位概念が書いてある上位概念の特許の先例(引用例)があるならば、後願の下位概念は、二重特許防止の点で、39条1項拒絶(49条2号)となると考えます。

後願にななるロが、特許となるならば、異なる2名が同じ特許権を有することになり、
排他独占権ではなくなります。

特許法と同じ創作法の意匠法でも、3条の2では「一部」の「同一・類似」を問題にして、「権利の錯綜」が問題にされます。
部分意匠ということがあったり、部品意匠ということがあるので、権利が錯綜します。
特許の場合の改良発明や、具体例・下位概念との関係は、権利についての考え方は同じと考えます。


2.
リパーゼ事件では、「出願審査の段階では、あくまで、特許請求の範囲だけ見ます。原則として、明細書の記載を斟酌して解釈はしません」とのことですから、特許前後で、権利対象、「技術範囲」の評価が異なることはあります。

と、考えるのですが?

Re: 特44条1項2号での下位概念の分割 - 管理人

2020/02/10 (Mon) 09:36:32

まず、特許庁の解釈に反することは間違っているというのが、試験用の当BBSの立場です。
法律論ですので、どのような解釈をして頂いても結構ですが、私としてはを間違ったことは言えません。

すでにご説明したように、下位概念が書いてある上位概念の特許の先例があっても、その特許請求の範囲に記載がなければ、後願の下位概念は登録できます(特29条の2に該当する場合を除く)。
これに反する解釈は間違っています。

リパーゼの件は、本願特許の話ですので、引用例の解釈について持ち出すのは非常に奇妙に思います。
つまり、出願審査の段階で、本願特許について明細書の記載を斟酌しないが、権利化後は本願特許について明細書の記載を斟酌するというだけです。
引用例について言っているわけではありません。

そもそも、特70条が審査で適用されないのは、先に言った通りですし、これに反する解釈は間違っています。

具体的態様の明示義務における相当の理由について - t

2020/02/02 (Sun) 15:46:23

具体的態様の明示義務:特104条の2では、相当な理由があるときを除き具体的な態様を明らかにしなければならないと規定されています。

青本では相当な理由の具体例として、①営業秘密が含まれている、②主張すべき理由が何もない、といったものが挙げられていますが、②の主張すべき理由が何もないという意味がよくわかりません。
主張すべき理由が何もないというのは、特許権者等が要件にかなった具体的態様を主張できていないという意味なのでしょうか?

Re: 具体的態様の明示義務における相当の理由について - 管理人

2020/02/03 (Mon) 11:13:24

私見ですが、「主張すべき理由が何もない」ということは、特許権者等が主張する物を被疑侵害者が製造していないとか、特許権者等が侵害を構成する製品を特定していないとか、侵害の理由となる特許権が存在しない(無効が確定している・明らかに充足しない等)とか、侵害していると特許権者等が主張する理由(請求原因)に不備・不足がある場合を意味するものと理解しています。

言い換えると、被疑侵害者が具体的な態様を明らかにしようとしても、それが不可能又は明らかに不要である場合を意味するのではないでしょうか。

Re: 具体的態様の明示義務における相当の理由について - t

2020/02/04 (Tue) 02:16:17

どうもありがとうございます。長期間もやもやとしていたのですが、ようやく腑に落ちました。
引き続き勉強頑張ります。

分割と補正 - 初心の者

2020/01/24 (Fri) 17:08:41

特許出願の分割で特施規30条による補正が出てきますが、補正できない時期の分割(特許査定後の分割、拒絶査定後の分割)でも、この特施規30条を適用すれば元の出願を補正できるのでしょうか?
基本的な部分の理解が不十分なせいか、疑問を抱きました。ご教示お願いします。

Re: 分割と補正 - 管理人

2020/01/30 (Thu) 09:55:42

特施規30条は、「特44条1項1号の規定により新たな特許出願をしようとする場合において・・・補正は、新たな特許出願と同時にしなければならない。」と規定されています。
そして、特44条1項1号の規定による分割可能期間は「補正できる時又は期間内」です。

そのため、特許査定後の分割(特44条1項2号)、拒絶査定後の分割(特44条1項3号)の場合、特施規30条による補正はできません。

Re: 分割と補正 - 初心の者

2020/01/30 (Thu) 10:21:59

管理者 様
ご回答有難うございます。よく解りました。
なお、補正できない時期にした分割は、補正要件を満たしていても、後の審査で特39②項で拒絶されることがあるという理解で良いでしょうか?
宜しくお願いします。

Re: 分割と補正 - 管理人

2020/01/30 (Thu) 10:25:01

可能性はありますが、通常分割出願をするときは、請求項に記載された発明を親出願とは異ならせます。
そのため、親出願とは発明が同一ではなくなり、分割出願に対して特39条2項の拒絶理由が通知されることは稀です。

Re: 分割と補正 - 初心の者

2020/01/30 (Thu) 18:27:35

管理者 様
理解が進みました。有難うございます。


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